鋼の錬金術師テキストブログ。所謂「女性向け」という言葉をご存じない方、嫌悪感を持たれる方はご遠慮ください。現状ほぼ休止中。
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
一日で書き上げてる物がほとんどなので軽い羞恥プレイです
まとめながら頭を抱えました 読み返せないのとかあるんですけどでも上げる(笑
そんな6月ログ第二弾(貧乏性
4.消毒×小さな罪 / ハボロイ / 100605
家に帰って扉を閉めた途端、後ろから両腕が伸びてきてマスタングは息を止めた。
「――ハボック」
「…………」
「ハボック、苦しい」
「我慢してください」
消毒です、とマスタングにとっては意味の分からないことを呟いて男はますます強く抱きしめてくる。
首筋に顔を埋めている金色の犬をちらりと見てから小さく息をつき、身体にまわっている腕を軽く叩く。
「ハボック。少し緩めろ」
「嫌です」
「これではおまえが見えないだろう?大丈夫だから」
「…………」
子どもに言い聞かせるような声に渋々とハボックが腕の力を抜くと、マスタングは身体ごと振り向いてハボックの首筋に両手を伸ばした。
少しだけ見開かれた青い瞳に満足して、金色の頭を抱きしめて、耳元で囁く。
「なんの消毒だ?」
「甘やかしてくれるのは嬉しいですけど、俺の勝手なんで大佐は知らなくていいです」
「なんだそれは」
小さく笑って不満そうにへの字になっている唇に軽くキスすると、噛み付くような口付けが返ってきた。
至近距離でぼやけた視線を絡めたまま、舌を絡めあう。
思う存分貪られて、離れたときには息が上がっていた。
「……っふ…今日は…何か…あったか?」
「今日だけじゃないですけどね。……あんた、ガード緩すぎ」
「そう、か?」
「そうですよ。おちおち外回りにもいけねぇ……」
互いの息がかかる距離で囁きあいながら、背中に回っていた男の手はいつの間にか全身をたどっている。
「…っ……私は、普通だと、思うが」
「俺は嫉妬深いんですよ」
「それは知らなかった」
「じゃあ今知ってください……今日は覚悟してくださいね」
「それは……怖い……なっ…」
スカイブルーの貫くような視線が刺さって。不埒な手に思考を乱されて。
これでもかと執着を見せ付けられる。
――甘やかされているのは私のほうだ。
「大佐、ベッドへ?」
「ん――」
いつも太陽みたいなおまえに、こんな私は相応しくないのに。
それでもほしくてほしくて、手を伸ばして、私を好きだと言う太陽が私だけを見ているよう独占する。
誰がなんと言おうと、縛り付けて離してなんてやりはしない。
5.隠れ家×ボタン / ハボロイ+中尉 / 100609
彼の前に立った瞬間目に入ったそれに、少し気を取られた。
「ああ、これかい?」
視線を感じたのか、大佐は「さすが女性は気づくのが早い」と軽くそれ――付け替えられたボタンを示す。
「取れたのですか」
「ああ、先日ちょっとね」
組んだ両手の上に顎を乗せて面白そうに微笑んでいるところからして、飼い犬の悪戯には気づいているようだ。
「躾には、飴と鞭が重要だと思いますが」
「中尉ならそう言うと思ったよ」
「でしたら飴ばかり与えずともよろしいのでは?」
「そんなつもりはないんだが……」
大佐はちょっと困った顔で、でも微笑んだままだ。
「僭越ながら、代わりに私が躾ましょうか」
「魅力的な提案だが、中尉の躾は厳しいからね。あれが耐えられるかどうか」
くすくすと笑う人の軍服のボタンの糸は隠れるように、さりげなく色が変わっていて。
普通のものより少し濃い色になっている。
普通なら気づかない、けれど本人が言ったように、女性なら―しかも彼に近づくような女性なら尚更―間違いなく気づくであろう、痕跡。
――虫除けにしてもあからさまだわ。
分かりやすすぎる痕に、少しだけ憤慨するのは、こんなところまで独占欲を垣間見せる番犬にか、それを微笑んで許している飼い主にか。
どちらもかしら、と思いながら、ホークアイは甘すぎる飼い主にひとつアドバイスを送る。
「あまり甘やかすと、犬は付け上がりますよ?」
「そうかい?」
「――耳の後ろにひとつ」
「な!?」
「げっ」
小声で指摘すると、真っ赤になってバッと正確に右耳を押さえたあたり、飼い主も身に覚えはあったようだ。
笑いたくなるのを我慢して、敢えて無表情で「躾代行はいつでも」と付け加える。
そして、実は大部屋で話していた―当然、彼ら以外のメンバーも揃っていた中の―二人の会話に、彼女の背後からも小さな声が聞こえた。
目の前の大佐は羞恥か怒りか――ぶるぶると震えている。
「あ、そろそろ俺演習の準備に――」
「ハボッーク!!」
「はい!」
「そこに直れ!」
「遠慮します!」
「おまえに拒否権などない!いや、焼き加減くらいは選ばせてやる!さっさと来い!」
「それ焼かれるの前提じゃないスか!」
「当たり前だ!」
目の前で始まった騒ぎにくるりと背を向けて、周囲の縋るような視線にはごめんなさいねと内心で謝りつつも部屋を出て。
そこでようやく。
手にした書類で口角の上がった口元を隠して。
小さく吹き出した。
私の大事な大佐の隣にいるのだから。
これくらいの意趣返しは許されますよね――?
仕事をしない上司とその犬に、彼女の銃声が響くのはこの10分後。
6.子守歌×幸あらんことを / ロイ+ヒュ一家 / 100613
「どうだ!かわいいだろう俺の娘は!」
「うるさい」
「な…こんなに静かに寝てる俺の娘がうるさいだあ!?」
「違う。おまえがうるさいと言ったんだ」
「あなた、あんまり大きな声を出すとエリシアが起きちゃうわよ」
「グレイシアまで!」
煩そうに耳をふさぐ姿があからさまな親友と、苦笑しながら我が子をあやす妻に、ヒューズは大げさに嘆いた。
昼下がりの午後、ゆらゆらと母親の腕の中、小さなメロディが口ずさまれる空間で、新しく生まれた命はすやすやと眠っている。
赤ん坊特有のふっくらとした頬と、小さすぎる手のひらをロイは優しく見つめた。
「おめでとうグレイシア。きっと君に似て可愛らしくてしっかりしたレディになるよ。髭メガネの悪影響を受けないことを祈るばかりだ」
「ありがとう、ロイさん」
娘をその手に抱いてにこりと微笑む顔はもう母親のもので、ロイは女性の強さを実感する。
隣でひどい!とまた騒いでいる一応親友は見ぬ振りだ。
間違いなく親ばかと呼ばれる人種になるだろう。いや、もうなっているのか。
そんな男を夫に持った女性は、ゆったりと微笑んだまま赤子を軽く抱きなおしてロイに尋ねる。
「抱いてみる?」
「いや、私はいいよ」
「大丈夫よ、もう首も据わってるし。ほら」
小さな赤ん坊を胸元に差し出されて反射的に抱いてしまった。
どう支えていいかあたふたしていると、グレイシアが面白そうに「こうやって抱くの」とロイの腕を直す。
手の中にしっくりとおさまった親友の娘をまじまじと見つめて、囁くようにその名を呼ぶ。
「……エリシア?」
いつの間にか起きていたらしい赤ん坊は、ロイと目が合うと泣き出すこともなく、嬉しそうににこりと笑って。
その小さな小さな手で、ロイの服を掴んだ。
「あら」
「な!」
「な…なんだ?」
夫婦そろって目を丸くする様子に、抱きかかえている男はなにか不味いことをしてしまっただろうかと焦る。
だがロイの心配も他所に、母親はふふ、と嬉しそうに笑い、父親はなにやら不穏な空気を醸し出し始めて。
「エリシア、ロイさんが気に入ったのね」
「おまえ…俺の娘に手を出したら……」
「1歳にも満たない子供相手に何を言うんだ貴様!」
「何おう!?俺の娘に魅力がないと言うのかおまえは!」
「論点が違うわアホ!」
そうして、いつもの調子で騒がしくなりはじめた空気の中。
「二人とも!しー…ね?」
母親がそう言った瞬間にぴたりと言葉を止めて、おそるおそる赤子の様子を伺う可愛らしい男二人に。
彼女が吹き出してしまったのは仕方ないと言えよう。
まとめながら頭を抱えました 読み返せないのとかあるんですけどでも上げる(笑
そんな6月ログ第二弾(貧乏性
4.消毒×小さな罪 / ハボロイ / 100605
家に帰って扉を閉めた途端、後ろから両腕が伸びてきてマスタングは息を止めた。
「――ハボック」
「…………」
「ハボック、苦しい」
「我慢してください」
消毒です、とマスタングにとっては意味の分からないことを呟いて男はますます強く抱きしめてくる。
首筋に顔を埋めている金色の犬をちらりと見てから小さく息をつき、身体にまわっている腕を軽く叩く。
「ハボック。少し緩めろ」
「嫌です」
「これではおまえが見えないだろう?大丈夫だから」
「…………」
子どもに言い聞かせるような声に渋々とハボックが腕の力を抜くと、マスタングは身体ごと振り向いてハボックの首筋に両手を伸ばした。
少しだけ見開かれた青い瞳に満足して、金色の頭を抱きしめて、耳元で囁く。
「なんの消毒だ?」
「甘やかしてくれるのは嬉しいですけど、俺の勝手なんで大佐は知らなくていいです」
「なんだそれは」
小さく笑って不満そうにへの字になっている唇に軽くキスすると、噛み付くような口付けが返ってきた。
至近距離でぼやけた視線を絡めたまま、舌を絡めあう。
思う存分貪られて、離れたときには息が上がっていた。
「……っふ…今日は…何か…あったか?」
「今日だけじゃないですけどね。……あんた、ガード緩すぎ」
「そう、か?」
「そうですよ。おちおち外回りにもいけねぇ……」
互いの息がかかる距離で囁きあいながら、背中に回っていた男の手はいつの間にか全身をたどっている。
「…っ……私は、普通だと、思うが」
「俺は嫉妬深いんですよ」
「それは知らなかった」
「じゃあ今知ってください……今日は覚悟してくださいね」
「それは……怖い……なっ…」
スカイブルーの貫くような視線が刺さって。不埒な手に思考を乱されて。
これでもかと執着を見せ付けられる。
――甘やかされているのは私のほうだ。
「大佐、ベッドへ?」
「ん――」
いつも太陽みたいなおまえに、こんな私は相応しくないのに。
それでもほしくてほしくて、手を伸ばして、私を好きだと言う太陽が私だけを見ているよう独占する。
誰がなんと言おうと、縛り付けて離してなんてやりはしない。
5.隠れ家×ボタン / ハボロイ+中尉 / 100609
彼の前に立った瞬間目に入ったそれに、少し気を取られた。
「ああ、これかい?」
視線を感じたのか、大佐は「さすが女性は気づくのが早い」と軽くそれ――付け替えられたボタンを示す。
「取れたのですか」
「ああ、先日ちょっとね」
組んだ両手の上に顎を乗せて面白そうに微笑んでいるところからして、飼い犬の悪戯には気づいているようだ。
「躾には、飴と鞭が重要だと思いますが」
「中尉ならそう言うと思ったよ」
「でしたら飴ばかり与えずともよろしいのでは?」
「そんなつもりはないんだが……」
大佐はちょっと困った顔で、でも微笑んだままだ。
「僭越ながら、代わりに私が躾ましょうか」
「魅力的な提案だが、中尉の躾は厳しいからね。あれが耐えられるかどうか」
くすくすと笑う人の軍服のボタンの糸は隠れるように、さりげなく色が変わっていて。
普通のものより少し濃い色になっている。
普通なら気づかない、けれど本人が言ったように、女性なら―しかも彼に近づくような女性なら尚更―間違いなく気づくであろう、痕跡。
――虫除けにしてもあからさまだわ。
分かりやすすぎる痕に、少しだけ憤慨するのは、こんなところまで独占欲を垣間見せる番犬にか、それを微笑んで許している飼い主にか。
どちらもかしら、と思いながら、ホークアイは甘すぎる飼い主にひとつアドバイスを送る。
「あまり甘やかすと、犬は付け上がりますよ?」
「そうかい?」
「――耳の後ろにひとつ」
「な!?」
「げっ」
小声で指摘すると、真っ赤になってバッと正確に右耳を押さえたあたり、飼い主も身に覚えはあったようだ。
笑いたくなるのを我慢して、敢えて無表情で「躾代行はいつでも」と付け加える。
そして、実は大部屋で話していた―当然、彼ら以外のメンバーも揃っていた中の―二人の会話に、彼女の背後からも小さな声が聞こえた。
目の前の大佐は羞恥か怒りか――ぶるぶると震えている。
「あ、そろそろ俺演習の準備に――」
「ハボッーク!!」
「はい!」
「そこに直れ!」
「遠慮します!」
「おまえに拒否権などない!いや、焼き加減くらいは選ばせてやる!さっさと来い!」
「それ焼かれるの前提じゃないスか!」
「当たり前だ!」
目の前で始まった騒ぎにくるりと背を向けて、周囲の縋るような視線にはごめんなさいねと内心で謝りつつも部屋を出て。
そこでようやく。
手にした書類で口角の上がった口元を隠して。
小さく吹き出した。
私の大事な大佐の隣にいるのだから。
これくらいの意趣返しは許されますよね――?
仕事をしない上司とその犬に、彼女の銃声が響くのはこの10分後。
6.子守歌×幸あらんことを / ロイ+ヒュ一家 / 100613
「どうだ!かわいいだろう俺の娘は!」
「うるさい」
「な…こんなに静かに寝てる俺の娘がうるさいだあ!?」
「違う。おまえがうるさいと言ったんだ」
「あなた、あんまり大きな声を出すとエリシアが起きちゃうわよ」
「グレイシアまで!」
煩そうに耳をふさぐ姿があからさまな親友と、苦笑しながら我が子をあやす妻に、ヒューズは大げさに嘆いた。
昼下がりの午後、ゆらゆらと母親の腕の中、小さなメロディが口ずさまれる空間で、新しく生まれた命はすやすやと眠っている。
赤ん坊特有のふっくらとした頬と、小さすぎる手のひらをロイは優しく見つめた。
「おめでとうグレイシア。きっと君に似て可愛らしくてしっかりしたレディになるよ。髭メガネの悪影響を受けないことを祈るばかりだ」
「ありがとう、ロイさん」
娘をその手に抱いてにこりと微笑む顔はもう母親のもので、ロイは女性の強さを実感する。
隣でひどい!とまた騒いでいる一応親友は見ぬ振りだ。
間違いなく親ばかと呼ばれる人種になるだろう。いや、もうなっているのか。
そんな男を夫に持った女性は、ゆったりと微笑んだまま赤子を軽く抱きなおしてロイに尋ねる。
「抱いてみる?」
「いや、私はいいよ」
「大丈夫よ、もう首も据わってるし。ほら」
小さな赤ん坊を胸元に差し出されて反射的に抱いてしまった。
どう支えていいかあたふたしていると、グレイシアが面白そうに「こうやって抱くの」とロイの腕を直す。
手の中にしっくりとおさまった親友の娘をまじまじと見つめて、囁くようにその名を呼ぶ。
「……エリシア?」
いつの間にか起きていたらしい赤ん坊は、ロイと目が合うと泣き出すこともなく、嬉しそうににこりと笑って。
その小さな小さな手で、ロイの服を掴んだ。
「あら」
「な!」
「な…なんだ?」
夫婦そろって目を丸くする様子に、抱きかかえている男はなにか不味いことをしてしまっただろうかと焦る。
だがロイの心配も他所に、母親はふふ、と嬉しそうに笑い、父親はなにやら不穏な空気を醸し出し始めて。
「エリシア、ロイさんが気に入ったのね」
「おまえ…俺の娘に手を出したら……」
「1歳にも満たない子供相手に何を言うんだ貴様!」
「何おう!?俺の娘に魅力がないと言うのかおまえは!」
「論点が違うわアホ!」
そうして、いつもの調子で騒がしくなりはじめた空気の中。
「二人とも!しー…ね?」
母親がそう言った瞬間にぴたりと言葉を止めて、おそるおそる赤子の様子を伺う可愛らしい男二人に。
彼女が吹き出してしまったのは仕方ないと言えよう。
PR
ブログ内検索
アクセス解析