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  <title>In Dunkelheit</title>
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  <description>鋼の錬金術師テキストブログ。所謂「女性向け」という言葉をご存じない方、嫌悪感を持たれる方はご遠慮ください。現状ほぼ休止中。</description>
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  <copyright>© Ninja Tools Inc.</copyright>
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    <title>Link</title>
    <description>
    <![CDATA[管理人大好きサイトさまたち。無断で失礼します。<br />
リンク先では各サイト様の注意事項をよくお読みになって閲覧ください。<br />
特にお若い方は年齢制限にご注意。<br />
<br />
<strong>私的ブクマも兼ねてますのでロイ受・ハボ受あります。ご注意ください。</strong><br />
オンマウスで傾向が出る、はず。<br />
<br />
<br />
■*Roy■<br />
<a href="http://saruniwa.com/sg/" target="_blank"><img src="http://saruniwa.com/sg/bn.jpg" title="ハボロイ／テキスト／丹羽　ましら様" border="0" /></a>　<br />
<a href="http://hoozukiya.sakura.ne.jp/" target="_blank"><img src="//kuuri96.blog.shinobi.jp/File/pol-gr.gif" title="ハボロイ・ヒュロイ／テキスト／アーヤ様" border="0" /></a><span style="color: #ff0000;">R18</span><br />
<a href="http://www.geocities.jp/aquablade00/" target="_blank"><img src="http://aquablade.info/bn_hr.jpg" border="0" title="ハボロイ／イラスト／水剣　芹哉様" /></a><br />
<a href="http://skyscraper.vivian.jp/fa/" target="_blank"><img src="http://skyscraper.vivian.jp/fa/image/banner.jpg" border="0" title="ハボロイ／テキスト／樋口由樹様" /></a>　<br />
<a href="http://www15.plala.or.jp/oushu_t/index.html" target="_blank"><img src="http://www15.plala.or.jp/oushu_t/banner.gif" border="0" title="ハボロイ／テキスト／鳶様" /></a><br />
<a href="http://ajisai2010.web.fc2.com/" target="_blank"><img src="//kuuri96.blog.shinobi.jp/File/nobanner.jpg" border="0" title="あじさい/ハボロイ／テキスト／雀様" /></a><span style="color: #ff0000;">R18含</span><br />
<a href="http://white-dictionary.blog.so-net.ne.jp/" target="_blank"><img src="//kuuri96.blog.shinobi.jp/File/366800.png" border="0" title="ハボロイ／テキスト／ゲム様" /></a><br />
<br />
<br />
■*Havoc*■<br />
<br />
<a href="http://backlash.web.fc2.com/" target="_blank"><img src="http://backlash.web.fc2.com/banner.jpg" title="ロイハボメイン／イラスト・Web漫画／Gin様" border="0" /></a>　　　<a href="http://pallmall99.nengu.jp/" target="_blank"><img src="http://pallmall99.nengu.jp/banner.JPG" title="ハボロイハボ・ヒュハボ他／テキスト／dice様" border="0" /></a><span style="color: #ff0000;"></span><br />
<br />
<a href="http://havoc1.jugem.jp/" target="_blank"><img src="//kuuri96.blog.shinobi.jp/File/nobanner.jpg" border="0" title="キッチンスモーカー/ハボメイン／テキスト／ヨコシマミエコ様" /></a>　　 <a href="http://kurogane59.blog107.fc2.com/" title="" target="_blank"><img src="//kuuri96.blog.shinobi.jp/File/ocbana.gif" title="ヒュハボ／テキスト／アヅマカオル様" border="0" /></a> <span style="color: #ff0000;">R15</span><br />
<br />
<br />
■search■<br />
<br />
―整理中―<br />
<br />
<br />
■お題・素材をお借りしています■<br />
<br />
<a href="http://isotope.happy888.net/" target="blank">星が水没</a> ／ <a href="http://sorairo.rocket3.net/" target="_blank"></a> ／ <a href="http://bayberry.sakura.ne.jp/" target="blank">ノイモ</a> ／ <a href="http://www.geocities.jp/monikarasu/" target="blank">選択式御題</a><br />
<br />
<br />
■閉鎖・休止中（おつかれさまでした）■<br />
be in love with flower（title）／群青三メートル手前（title）／Jazz Bug（title）　<br />
空色地図（素材）<br />
<img src="//kuuri96.blog.shinobi.jp/File/localtrain.jpg" border="0" title="ヒュハボ・ロイハボ/テキスト・イラスト/仁科了様" /><br />
<br />
※当サイトでは検索避け＆大手検索からのブロック等をほどこしておりますが<br />
ブログというものの特質上 怪しいところがあります<br />
もしリンクに不都合がございましたら　お手数ですが管理人までご一報くださいませ]]>
    </description>
    <category>リンク</category>
    <link>http://kuuri96.blog.shinobi.jp/%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%AF/link</link>
    <pubDate>Sun, 25 Dec 2016 00:10:39 GMT</pubDate>
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  </item>
    <item>
    <title>Little visitor in 221B</title>
    <description>
    <![CDATA[221Bに子どもが増えた。<br />
<br />
<br />
<br />
ただでさえ見た目は大人、中身は12歳のフラットメイトに苦労をかけられっぱなしのジョンは、帰宅した当の探偵の腕の中を一瞥して言った。<br />
<br />
「おかえりシャーロック。いますぐ戻って返して来い」<br />
「ジョン、その発言はどうかと思う」<br />
<br />
珍しく現実逃避を図ったらしい助手に、これまた珍しく落ち着いた探偵が言った。<br />
だがジョンはそれどころではない。脳が状況を拒否したのは一瞬だったらしく、座っていたソファから立ち上がって彼の腕の中を確認し、自分の想像通りだったことを認めると、うろうろと部屋を歩き回ってから、もう一度シャーロックの腕の中を覗き込み、やはり自分の目がおかしくなったのではないことを確認し――頭を抱えた。<br />
<br />
「ああシャーロック、まさか、君が……一体どこで攫ってきた！？」<br />
「君の経験則では30代男性が赤ん坊を連れてきたら誘拐犯になるのか。興味深い人生だな」<br />
「僕の経験則では一般的な30代の独身男の冷蔵庫に生首なんてないし暖炉の上に骸骨の友人もいないんだ」<br />
<br />
君に常識なんて当てはまらないだろうとあっさり答える相棒の言に、探偵は微かに口端を持ち上げる。それに気づかないまま頭を抱えていたジョンはハッと顔を上げて言った。<br />
<br />
「まさか赤ん坊で実験とか言い出すんじゃないだろうな！？」<br />
「僕の子どもだという推測はないのか？」<br />
「――え。君の子なの？」<br />
「違う」<br />
「だよな」<br />
<br />
ありえないよな、としたり顔で頷くジョンをシャーロックは少々物言いたげな眼で見たが綺麗に無視される。<br />
二人して視線を落とす。<br />
赤ん坊はすべらかな肌で、大きな瞳は透き通るようなブルー。ふくふくとした頬が大変に愛らしく、そこにいるだけで周囲を和ませる空気を放っていたが、この男二人のフラットには非常に不釣合いだ。<br />
紅葉よりも小さいのではと思える手がそっと伸びてシャーロックのコートの端を掴もうとする。何度か失敗して目的を達成した赤ん坊は、それはそれは嬉しそうに笑った。<br />
<br />
「うあー」<br />
「「…………」」<br />
<br />
妙な沈黙に耐え切れなくなったのはジョンだった。<br />
<br />
「――で？攫ったわけでも君の子でもないならどうしたんだ。ヤードから預かって……いやグレッグたちがそんな危険を冒すわけがないな。ハドソンさん……もさっき出かけてた。誰が君に赤ん坊を預けるなんて無謀な真似を？」<br />
「彼女の名前は知らない。だがこの赤ん坊はメアリというそうだ。もうすぐ1歳」<br />
「なんで知ってる」<br />
「書いてあった」<br />
「……？何に」<br />
<br />
視線で示され、ジョンが彼女が包まっている柔らかそうなおくるみに目を向けると、小さな手紙が挟み込まれていた。<br />
<br />
「…………」<br />
<br />
その手紙とシャーロックの顔を何度か行き来し、ジョンは嫌な想像に思い至った。もしや、これは。<br />
ここにきてようやく、一見冷静にみえる探偵が動揺しているらしいことに気づく。ブルーグレイの瞳の奥は、腕の中にいる自分のエリア外の生き物に困惑している。<br />
<br />
「ジョン。いつから此処は託児所になった？」<br />
「――ジーザス！」<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
*************:<br />
つづかない。]]>
    </description>
    <category>その他</category>
    <link>http://kuuri96.blog.shinobi.jp/%E3%81%9D%E3%81%AE%E4%BB%96/little%20visitor%20in%20221b</link>
    <pubDate>Sun, 12 May 2013 15:31:17 GMT</pubDate>
    <guid isPermaLink="false">kuuri96.blog.shinobi.jp://entry/59</guid>
  </item>
    <item>
    <title>dog and cat 4</title>
    <description>
    <![CDATA[これは夢だ。間違いなく。<br />
やばいな、高熱のあまり幻まで見えてきたのか……。<br />
やけにリアルで都合のいい幻は、立ち尽くしている俺の後ろを覗き込んでからガサリと手にした紙袋を示して見せた。<br />
<br />
「そういうわけでコーヒーを飲みにきた」<br />
「……そうっスか」<br />
<br />
一体何が「そういうわけ」なのか。<br />
見舞いじゃなくてコーヒー飲みにって本当何しに来たんだとか。<br />
言いたいことがありすぎて、熱のせいじゃなく頭がくらくらしている俺より少し低い位置に、さも当然のような顔をした人がいた。<br />
<br />
<br />
***<br />
<br />
いつも見る俺の部屋に、大佐がいる。<br />
すげえ違和感。<br />
<br />
俺の淹れたコーヒーを前に――どうやら本当にコーヒーを飲みに来たらしい。豆まで持参だった――満足そうにしている。<br />
この人が突拍子もないことを始めるのは今に始まったことじゃないけれど、それにはいつだって彼なりの理由がある。<br />
……はずだ。<br />
うん、きっと、たぶん。<br />
<br />
テーブルを挟んで俺と向かいあわせに座った大佐は、猫舌な大佐用に少しぬるくしたコーヒーを一口飲んでから、もっともらしく言った。<br />
<br />
「いいか、おまえが早く治らんことには、私は毎朝中尉のモーニングコールで起きることになるんだ」<br />
「堂々と言ってないで自分で起きましょうよ」<br />
いくつですかあんた。<br />
「スリーコール以内に出ないと分かってますね、といい笑顔で言われた」<br />
「……ワンコールじゃなくてよかったっスね」<br />
厳しい中尉も、大佐にはときどきちょっとだけ甘い。わかりにくいけど。<br />
「その中尉からおまえに伝言だ」<br />
「聞きたくないです」<br />
「『甘やかすのもほどほどに』だそうだ。ブラハの主人は中尉だ、あまり構い倒すのはよくないぞ？」<br />
「…………ああああ」<br />
<br />
バレてる。バレてるわ間違いなく。<br />
ブラハじゃないって何で気づかないんだあんたは。いや気づかれても俺が困るからいいんだけど。<br />
自分のことにだけ鈍いっていうのは、ある種の才能じゃないかと思う。<br />
いきなり頭を抱えて呻きだした俺を大佐は薄気味悪そうに見た後、至極真剣に聞いてきた。<br />
<br />
「本当に風邪か？頭の病院に行くか？」<br />
「……だいじょうぶです。俺よりあんたの方がブラハを甘やかしてると思いますが」<br />
「そうか？」<br />
「はい」<br />
「そういえば……犬のしつけには飴と鞭が大切だと。飴ばかりはダメです、と以前懇々と中尉に言われたことがあったな……」<br />
「ははは……」<br />
<br />
どこの犬の話ですかね中尉。<br />
<br />
「大体、こんな時期に風邪をひくヤツがあるか馬鹿者」<br />
「いやー昨日の雨に濡れたのが拙かったみたいで」<br />
「そんなにヤワだったか？」<br />
「たぶんその後しばらく濡れっぱなしだったせいじゃないかと……」<br />
<br />
正直に答えると、呆れた顔をされた。<br />
<br />
「仮にも軍人ともあろうものが自己管理のひとつもできずにどうする」<br />
「……あんたが言いますかそれ」<br />
<br />
毎朝誰が起こして朝食の準備までしてると思ってんだ。<br />
しれっと素知らぬふりで顔を背ける上司を軽く睨んでからあたりを見回していると、煙草はやめておけ、と呟かれた。<br />
そうかさっきから見当たらないと思ったらあんたの仕業か。<br />
……じゃなかった、俺が今探してるのは。<br />
<br />
「煙草じゃなくて、猫ですよ。もう帰っちまったのかもしれませんね」<br />
<br />
窓の鍵は開けたままにしていたし、やけに綺麗でも野良のようだったから、まあ当然だろう。<br />
<br />
「猫？」<br />
「ええ、昨日いきなりだったんスけどね。あいつのせいで風邪引いたも同然スけど……そりゃもう綺麗で可愛かったんですよ。あ、可愛いっていうより美人って感じ、で――なんスか？」<br />
<br />
プライド高そうなところが、可愛いというよりは美人という言葉が当てはまる猫だった。<br />
さすがに大佐そっくりで、なんてことは言えるはずもなく、さらにはロイなんて名前をつけてしまったなんて口が裂けても言えないのでそんな風に話していると、胡乱な眼差しとぶつかる。<br />
<br />
「……女か？」<br />
「は？」<br />
「猫というのは」<br />
「！！」<br />
<br />
爆笑したら、一瞬の間をおいてテーブルの下から蹴りつけられた。<br />
ガスガスと容赦なく足が飛んできて慌てて避ける。<br />
<br />
「ちょっ…！なにすんですか！」<br />
「おまえが紛らわしいんだろうが！」<br />
「……っ、いや、俺は普通のことしか言ってませんしっ……！って大佐！病人！！俺病人ですからっ！」<br />
「こんな元気な病人などおらん！！」<br />
<br />
しばらく足での攻防を繰り返し、爆笑がゲホゲホと咳き込む段になって、ようやく、渋々と、本当に渋々と攻撃が止められた。<br />
<br />
「間違いなく猫ですよ、猫。しかも、オス！」<br />
<br />
ご期待に添えませんで、とにやにや笑うと、あまりな勘違いをしてくれた上官は嫌そうに口を引き結んでから、ふっと笑った。<br />
<br />
「そうだな、まったく私としたことが。お前にそんな甲斐性などあるわけない」<br />
「またそういうこと言う……」<br />
<br />
いつもの憎まれ口も、今回は負け惜しみだと分かっているのであまり腹も立たない。<br />
頬が緩んでいるのがばれたらしく、大佐はきっとこちらを睨んで残ったコーヒーを一気に飲み干すと、帰る、と立ち上がった。<br />
<br />
「あっと――送ります」<br />
「いらん、寝ておけ。明日には出て来いよ」<br />
「……アイサー」<br />
<br />
そうして、ひらりと片手を振って、唐突に訪れた上司は、あっという間に帰っていった。<br />
残ったのは、玄関に棒立ちになっている、俺。<br />
<br />
「……本当にコーヒー飲みに来ただけかよ……」<br />
<br />
暇じゃないのは重々知ってるが、暇なのかと思わざるをえない。<br />
ため息をつきつつ部屋へと戻ると、テーブルの上に乗ったままだった紙袋を見つけた。<br />
豆以外にも何かさせる気だったのかと、中を覗き込む。<br />
<br />
「あ？……りんご？」<br />
<br />
……一応、見舞いのつもりもあったのだろうか。<br />
首をひねりつつ、夢ではなかったらしい証拠を片手に、俺はベッドへと逆戻りしたのだった。]]>
    </description>
    <category>鋼（HR）</category>
    <link>http://kuuri96.blog.shinobi.jp/%E9%8B%BC%EF%BC%88hr%EF%BC%89/dog%20and%20cat%204</link>
    <pubDate>Sun, 06 Jan 2013 11:26:08 GMT</pubDate>
    <guid isPermaLink="false">kuuri96.blog.shinobi.jp://entry/58</guid>
  </item>
    <item>
    <title>あなたのことが。</title>
    <description>
    <![CDATA[どういうところがいいのかと言われても。<br />
気づいたら、そうだったんだ。<br />
そりゃあこんな体質だから誤解されたりもするけど、別にもともと男が好きだったわけでもなし、女性は今でも好きだし……なんだよ、そんな怖い顔するなって。<br />
旦那だって、俺のどこがいいかなんて分からないだろ？それと同じだよ。<br />
――ごめん。俺が悪かった言わなくていい。ひとつひとつ挙げなくていいから黙ってくれって！<br />
<br />
ええと、最初の印象は食えないおっさん……ってこれは今でもそうだよな。自覚ある？だったらもうちょっとなんとかしてくれ。とにかくよく分からなかった…と、思う。<br />
でも、一緒に旅をしてたら、眼鏡が譜業だったり――それが一番最初ですかとか言うなって――外すと印象が変わったり、術が目茶苦茶強かったり、真面目なこといったかと思えばすぐ茶化したり、マーボーカレーが好きなくせに甘党だったり……冷たい大人かと思えば実はそうじゃなかったり。<br />
年下の俺がいうのも変だけど、なんだか放っておけない気がして。<br />
<br />
大体最初に言ったじゃないか。そうじゃなきゃこういう……その、恋人同士、になってないだろ。<br />
――よ、よく覚えてるな、あんた。<br />
確かに「俺も」としか言ってないけど、いや別に誤魔化してるわけじゃなくて、だな……困ったな。<br />
<br />
分かってる。言わない方がおかしいんだってことくらい。<br />
言葉にしないと伝わらないことがあるのも……分かってる。<br />
<br />
――そうだな。怖い、のかもしれない。<br />
あ、あんたとこうなってることが、じゃないからな？そこだけは絶対に誤解するなよ？<br />
後悔なんてするわけがない。<br />
<br />
なんだろう。今までこんなことなかったのにな。言葉にするのが怖い。<br />
たぶん、自分がどうなるのか分からないのが、怖いんだ。<br />
口にして、これ以上俺があんたのことしか考えられなくなったら。困るんだ。<br />
今でさえ、こんなにあんたのことでいっぱいなのに。<br />
<br />
<br />
旦那――ジェイド？どうしたんだ頭抱えて……悪い、俺変なこと言ったか？――違う？ならいいけど。<br />
だから、まあ、ほら、そういうことだから。<br />
<br />
<br />
<br />
<div style="text-align:right"><span style="font-size:120%">すきです、なんて、言えない。<br />
</span><br />
<br />
<br />
（いいじゃないですか言ってくださいよ）<br />
（あんた俺の話聞いてたか！？）<br />
（聞いてたから言ってるんです、この天然）<br />
（は！？）</div><br />
<br />
<br />
<hr><br />
title:群青三メートル手前 様<br />
<br />
ちょろ甘！（ちがう）<br />
PGシリアス両片想いかJG甘いのか迷ってこっち　延々のろけ話なうえに乙女ガイ様<br />
そんなこと言われたら言わせたくなるってものです]]>
    </description>
    <category>その他</category>
    <link>http://kuuri96.blog.shinobi.jp/%E3%81%9D%E3%81%AE%E4%BB%96/%E3%81%82%E3%81%AA%E3%81%9F%E3%81%AE%E3%81%93%E3%81%A8%E3%81%8C%E3%80%82</link>
    <pubDate>Fri, 06 Jan 2012 11:37:40 GMT</pubDate>
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  </item>
    <item>
    <title>水葬</title>
    <description>
    <![CDATA[水槽の中の魚が一匹になって暫く。<br />
二匹目も最初の一匹を追うかのように、水槽に浮かんだ。<br />
<br />
「水葬しよう」<br />
<br />
一匹目を庭の隅に埋めようとした時と同じようにロイが言ったので。<br />
ハボックは一匹目と同じように、もう動かなくなってしまった生命の跡を小さなケースへと閉じ込めた。<br />
<br />
<br />
<br />
「寒くないですか？」<br />
「別に」<br />
<br />
細い三日月が浮かぶストリートを、二人で家へと歩く。<br />
人気がないのと、少し冷たい夜風を理由にして。<br />
彼の左手を自分の右手に招いても、振りほどかれることはなかった。<br />
その代わりと言わんばかりに素っ気無い言葉が返ってくる。<br />
<br />
「だいたい、金魚が溺れるわけなかろう」<br />
「あの時はなんでかそう思ったんですって」<br />
<br />
ハボック自身が振り返っても不思議だが、そのときはほとんど確信を持ってそう思ったのだ。何故だったのかはわからない。<br />
大佐がいじめる、と言えば、小さく笑われた。<br />
<br />
「可愛いなおまえは」<br />
「…………」<br />
「……何か言いたまえよ」<br />
「……えっと……目の医者を呼びましょうか」<br />
「馬鹿者」<br />
<br />
そうしてまた微笑して。<br />
<br />
――ああ、まただ。<br />
<br />
最初の金魚がいなくなってから、彼は時折、喉を押さえる仕草をするようになった。<br />
彼自身は気付いてはいない。<br />
金魚がいなくなる直前に見ていた夢――この時も喉に触れていた――に関係しているのだろうか。<br />
だけど、彼が覚えていない夢を自分が知ることなど――叶うわけがない。<br />
<br />
<br />
<br />
繋いだ手が引かれて振り返ると、足を止めたロイがいた。<br />
夜の闇を湛えた瞳は、か弱い光を放つ三日月をぼんやりと見上げている。<br />
ひょいと並んで同じように見上げた。<br />
<br />
「あっちまで、届きましたかねえ」<br />
「……なにが」<br />
「金魚ですよ。還したんでしょう？」<br />
<br />
暗い土に埋めるより、淡い月光が照らし出す河へ、その先に続く――ハボック自身は見たことがないが――海へと還したら。<br />
月も金魚も寂しくないだろう。<br />
言いながら、三日月から彼へと視線を移すと、いやに真剣な表情をした彼と目があった。<br />
<br />
「……ハボック」<br />
「な、なんスか」<br />
「前々から思っていたが――おまえ、台詞がいちいち恥ずかしい」<br />
「は…」<br />
「愛らしい女性が言うならまだしも、大の男がそんなこと言っても気色悪いだけだぞ」<br />
<br />
しみじみと――だが、いつもの調子で――ひとつ頷いたロイにハボックは脱力した。<br />
……思い返すと確かに恥ずかしいかもしれないが、そんなに真面目に言わなくても。<br />
<br />
「……さっき可愛いって言ったじゃないっスか」<br />
「なんだ、言ってほしかったか？」<br />
「いや、俺としては可愛いよりカッコいいとかが嬉しいんですけど！でもぶっちゃけ大佐の方がカッコいいし」<br />
「…………」<br />
「カッコいい上に可愛いとか、あんた反則ですよね」<br />
「…………」<br />
「大佐？」<br />
「……もういい」<br />
<br />
はああああ、とそれはそれは重い溜めと言葉の後に、繋がったままの手を握りなおされ、今度は彼が先に立って歩き出す。<br />
彼の斜め後ろは、いつもの定位置だったけれど。手を繋いでいる分距離が近く、寒い中でもそこだけは暖かく。ハボックの心拍数が上がる要因だ。<br />
彼の心臓が近いせいだろうかと思ったが、また恥ずかしいだの気色悪いだの言われてはかなわないので、口には出さない。<br />
それでも、たぶん、今あるこの妙な緊張感のような、安堵感のような。<br />
恥ずかしいのを承知で言うならば――この、ときめきのようなものは。<br />
ハボックは黙って歩く背中を見つめて、声をかけた。<br />
<br />
「たいさー」<br />
「なんだ」<br />
「キスしていいですか」<br />
「……黙って歩け」<br />
「じゃあ家に着いたら」<br />
「…………」<br />
<br />
返事はなかったが、彼の首のあたりが夜目にも赤いのを返事ととらえて、ハボックはもういちど空を見上げる。<br />
<br />
<br />
浮かぶ三日月。<br />
海に還った魚。<br />
<br />
<br />
捕らえられた白い光。<br />
溺れた――何か。<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
――この人が溺れるなら、いっそ自分に、と。<br />
<br />
<br />
希うのは馬鹿げているだろうか。<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<hr> <br />
title:星が水没さまの五題より<br />
2011-4-22]]>
    </description>
    <category>鋼（HR）</category>
    <link>http://kuuri96.blog.shinobi.jp/%E9%8B%BC%EF%BC%88hr%EF%BC%89/%E6%B0%B4%E8%91%AC</link>
    <pubDate>Thu, 24 Nov 2011 15:42:07 GMT</pubDate>
    <guid isPermaLink="false">kuuri96.blog.shinobi.jp://entry/54</guid>
  </item>
    <item>
    <title>戦略的サレンダー</title>
    <description>
    <![CDATA[少し目を伏せてから、私の負けですよ、と小さく付け足して。<br />
オールドラントで死霊使いと呼ばれ恐れられている男は眼鏡の奥の紅い目を歪めた。<br />
<br />
「……で、この状況かい？」<br />
「端的に言ってしまえばそうですねえ」<br />
<br />
この場に似つかわしくない暢気なやりとりをしながら、ガイは目を丸くしたままぼんやりと「この状況」を考えた。<br />
宿の部屋には二人だけ。<br />
押し付けられた背中には、洗いざらしのシーツと少し固めのベッドの感触。<br />
すぐ目の前には、つい先ほど自分のことを好きだと言った男。<br />
これはもう、どう考えても、<br />
<br />
（押し倒されてる……んだよなあ）<br />
<br />
女性恐怖症という非常に特殊かつ厄介な体質のため、まさかこういったことが現実に訪れるとはあまり想像できなかった。<br />
それ以前に、男である自分が男に押し倒される状況など、想像するわけがない。<br />
しかも目の前にいるのは“あの”ジェイドである。<br />
そんなことを想像したが最後、即サンダーブレードやインディグネイションが飛んできそうだ。だってジェイドだし。人の心くらい読めてもおかしくないよな、などと思うほど、ガイは内心で混乱の一途を辿っていたが表面上は落ち着き払ったように見えていたため、血のような紅が譜業のガラス越し、不審そうに細められた。<br />
<br />
「ガイ。あなた、本当に分かっていますか？」<br />
「え。……ああ、うん。分かってるつもり……だけど」<br />
「そのわりには落ち着いていますね」<br />
「うーん……ジェイドだから、かな？」<br />
<br />
しばし考えてから、ガイが答えた。<br />
驚愕や困惑はあるものの、不思議なことに今の状態への嫌悪感などといった負の感情は己にはないようで。<br />
なんだかんだとこのパーティで旅を続ける中、リアリストで非情な軍人である彼が実は不器用な優しさを持ち合わせている人物だということを分かってきたせいだろうか。<br />
己でも半信半疑ながら首を傾げて至近距離にある顔を見上げると、ジェイドは少しの沈黙の後、それはそれは深い溜め息をついて、ガイ、と再度名を呼んだ。<br />
<br />
「ん？」<br />
「あなた、本っ当に分かっていませんね」<br />
「は？何を……んんっ！？」<br />
<br />
さらに首を傾げようとしたガイは、次の瞬間唇に押し付けられた感触に目を見開いた。<br />
キスされている、と理解して抵抗しようとした時には既に遅く、身動きできないように押さえ込まれていることに愕然とする。<br />
多少腕に覚えがあったとしても、相手は一回り以上年上の職業軍人だった、ということまで彼が思い至ったかどうか。<br />
呆然としているうちに、力の入っていなかった唇を割ってするりと相手の舌が入り込んできてガイの混乱をますます煽り、背中のシーツの質感が今更やけにリアルに感じてわけも分からぬまま焦る。<br />
男はしばらくの間口内を思う様蹂躙し、ようやく離れたかと思うと、我に返って真っ赤になっている青年の濡れた唇を親指で辿り、薄く笑った。<br />
<br />
「な　なななななにをっ……！！」<br />
「分かってなかったようなので、分からせて差し上げようかと」<br />
「ジェ……」<br />
<br />
しれっという彼の名を呼ぼうと動いた唇は、再び覆いかぶさってきた男に耳を柔く食まれることで止められ。<br />
びくりと震えた身体に注ぎ込まれる声は、ガイの中で酷く甘く響いた。<br />
<br />
「私があなたにしたいのはこういうことですよ」<br />
「――な　んで、」<br />
「先ほど言ったでしょう？返事を聞かせていただきたいのですが」<br />
「ちょっ……ちょっと待――んぅ」<br />
<br />
唇は最後まで言葉を紡ぐことなく塞がれ、三度声を奪われる。<br />
慣れぬどころか初めての行為に戸惑うことしかできず、ただただ翻弄されていく。<br />
突然何故、どうして自分を。聞きたいことは山ほどあるのに思考が拡散して、息さえまともにできない。<br />
それでも首を振って逃れ、ぷは、と息をついたガイに、ジェイドはその怜悧な容貌にいつもの食えない笑みを浮かべとんでもないことを言い放った。<br />
<br />
「ああ、沈黙は肯定と受け取りますので」<br />
「……っは、あんたに都合がよすぎないかそれ！」<br />
「ええ。ですから……」<br />
<br />
青年の上で不穏な動きをしていた手がぴたりと止まる。<br />
いつの間にか眼鏡を取り去っていた瞳が、ガイが初めて見る色で切なげに歪んで――息を呑む。<br />
<br />
「……嫌ならば、もっとちゃんと抵抗なさい」<br />
<br />
どこか自嘲した笑みを浮かべて。<br />
こつんと額を合わせてくる男の目は伏せられ、視線を合わせることが出来ない。<br />
ジェイドの茶色の髪がさらりと落ちきて頬に触れた。<br />
こんなにも、心臓の音さえ聞こえそうなほどに近いのに。<br />
さきほどとは違う動揺が自身を襲い、金色の髪をした青年はうろたえる。<br />
あの紅が、見えないのは。こいつのこんな表情は――。<br />
<br />
「――なあ、旦那……ジェイド」<br />
<br />
時が止まったかのような空気をふ、と息をつくことで破ったのは、ガイだった。<br />
互いの吐息のかかりそうな距離で、囁く。<br />
<br />
「あんたは、俺に嫌われたいのか？」<br />
「……不思議なことを言いますね。何故です？」<br />
「え？……な、なんとなく…？」<br />
<br />
伏せられていた目が静かに上げられて視線が合う、それだけのことに跳ねる心臓には気づかぬ振りをして。<br />
尋ね返されて自信なく答えながらも、自分がふと感じて言ったことは意外と当たっているのではという確信がじわじわと深まっている。<br />
彼の彼自身に対する評価と性格を考えると、こんなある意味滅茶苦茶な行動もおかしくない気がするのだ。……たとえ、本人が否定しようとも。<br />
好きだ、という言葉を疑っているのではない。<br />
むしろ、それが真実だと感じたからこそ。<br />
<br />
そして、本当にガイの予測が当たっているのならば――<br />
<br />
「失敗、だな」<br />
<br />
強張っていた体の力を意識して抜くと、首筋のチョーカーに小さく口付けていたジェイドの紅い目が意外そうにこちらを見た。<br />
<br />
「おや、降参ですか？」<br />
「……誰が」<br />
<br />
自分から両腕を伸ばしたことで、初めて動揺の色を浮かべた目の前の相手を想う。<br />
これが降参だというならば、戦略のうちだ。<br />
心のうちで呟いて、ガイは目の前の肩へと噛み付いた。<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
いっそ嫌われてしまおう、なんて選択肢が考えられないくらい。<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
――溺れさせてやる。<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<hr><br />
title:群青三メートル手前<br />
JG初書き<br />
萌えの赴くままに書きました　男前な受がすきです<br />
すいませんちょう楽しかったですっ……！（脱兎）<br />
]]>
    </description>
    <category>その他</category>
    <link>http://kuuri96.blog.shinobi.jp/%E3%81%9D%E3%81%AE%E4%BB%96/%E6%88%A6%E7%95%A5%E7%9A%84%E3%82%B5%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%83%80%E3%83%BC</link>
    <pubDate>Tue, 11 Oct 2011 12:59:42 GMT</pubDate>
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  </item>
    <item>
    <title>不器用すぎる僕等</title>
    <description>
    <![CDATA[東方司令部の司令室。<br />
珍しくもごくごく平和に一日が過ぎようかという時、それは訪れた。<br />
<br />
「待たせたなーロイ！」<br />
「誰も待ってない」<br />
<br />
大きな音を立てて開いた扉に一瞬、部屋の視線が集中したが、現れた人物を認めるとすぐに各々の業務に戻っていく。<br />
日常茶飯事までとは言わないが、それに近い頻度で訪れる人にいちいち構ってなどいられない。<br />
名を呼ばれたロイ――マスタング大佐もにべもなく切り捨てたが、<br />
<br />
「まったまたーそんなこと言っちゃって、さっさと仕事終わらせて俺が来るの待っててくれたんだろー？そうだ待ってたって言えばな、こないだエリシアちゃんが、お散歩行ったときに俺のために摘んできた花をどーしても直接見せたいっつって！遅くなるって言った俺の帰りをずーっと待っててくれてたんだよ！結局俺が帰る前に寝ちゃったんだけど、花をぎゅーっと握り締めててさあ、あれはまさに天使の寝」<br />
「そうか。それはよかったな」<br />
「なんだよ、もっと聞きたいだろ？遠慮すんな」<br />
「してない。さっさと行くぞ」<br />
<br />
呆れたように言ったロイだったが、本当に仕事は終えていたらしい。<br />
デスクから立ち上がって傍に来ていた騒がしい友人を促す。<br />
喋りながらもそれに続こうとしたヒューズは途中、自分に注がれる視線に気づいて歩みを止めた。<br />
それは少々剣呑な視線であったが、ヒューズはまるで気づいていないかのようになんの気負いもなくそちらを振り向いて笑う。<br />
<br />
「よ、少尉」<br />
「……どうも」<br />
「相変わらず愛想がねえなあ。もうちょっと愛想良くしねえと捨てられるぜ？」<br />
「あいにくあんたに振りまく愛想はもっちゃいないんで」<br />
<br />
こちらも仕事は終わっていたらしく、無愛想に煙を吐いて言う少尉――ハボックをヒューズはにやにやと見た。<br />
挑発的な笑みを――少なくともハボックにはそう見えた――浮かべてロイの隣に立っている中央の中佐は、どうにもハボックのこんな態度を面白がっている節がある。<br />
<br />
「なんだ？仕事終わったなら少尉も行くか？」<br />
「おい、ヒューズ」<br />
「いいじゃねえのよロイ、たまには部下も連れてってやれよ。どうだ？」<br />
<br />
少し困ったように言う親友を歯牙にもかけずに誘うヒューズに、ハボックは苦笑を返した。<br />
<br />
「あー……すんません、今日はブレダたちと飲みに行く約束してるんスよ。お二人で楽しんできてください」<br />
「そうか？んじゃまあ行くか、ロイ」<br />
「だから私は最初からさっさと行くぞと言っている」<br />
「えー？」<br />
<br />
単なる社交辞令か他の意味を含んでいたのか。意図の読めぬ誘いをかけた人物はハボックの言葉にわずかに眉を上げたがそれだけで、あっさりとした態度で、なにやらぶつぶつと述べているロイの背を押し、部屋から去っていった。<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
ブレダは無為に煙を量産している金色の頭をはたいた。<br />
<br />
「行けよ、ヘタレ」<br />
「……ブレさん」<br />
「変な名前つけるんじゃねえ。誰が飲みに行くって？」<br />
「だって俺、これ以上あの人らが仲良くしてんの見たら立ち直れねえ……」<br />
<br />
ブレダは頭を抱えて項垂れる友人になんともいえない視線を注いだ。<br />
<br />
「なんだよ」<br />
「最近、おまえのせいでやたら大佐に睨まれるんだけど。つーかさっきも」<br />
「俺のせいにすんな。なにやらかしたんだよ？」<br />
「そうやって本気で思ってんのがおまえのすごいとこだと思うぜ」<br />
「は？」<br />
<br />
邪魔をする気はないが特に応援する気にもなれないブレダは、鈍い友人の頭をもう一度はたいて勝手にやってろ、と独りごちた。<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
ヒューズは妙に据わった目をしてグラスを傾ける黒い頭を呆れて見た。<br />
<br />
「そう拗ねるなって」<br />
「誰が拗ねるか」<br />
「さっきみたいに酒でも食事でも誘えばいいじゃねえか。別に普通だろ？」<br />
「……だが断られたぞ」<br />
「それは俺が誘った上におまえが不満そうにしたからだろうが」<br />
「それは…いきなりあんなことを言われたらそうなるだろう……」<br />
「じゃあ今度誘ってみろよ」<br />
「……」<br />
<br />
ロイはむう、と口をへの字にして黙りこんでしまう。<br />
<br />
「……あのなあ」<br />
「だいたい、なんでおまえの方があいつと喋ってるんだ。あいつの上司は私だ」<br />
<br />
ヒューズはバーのカウンターで酔いにまかせて本音らしきものを零している友人を見やり、がしがしと頭をかいて唸った。<br />
<br />
「どこの乙女だよまったく……」<br />
<br />
自分が邪魔をするまでもなくすれちがっている二人の現状を正確に把握しているヒューズは、本気の相手には強く出られないらしい親友の頭を撫でてどうしたもんかね、と呟いた。<br />
<br />
<br />
<br />
<hr><br />
知らぬは二人ばかり也<br />
そこで撫でるからハボが誤解するんです<br />
<br />
title:選択式御題<br />
<br />
]]>
    </description>
    <category>鋼（HR）</category>
    <link>http://kuuri96.blog.shinobi.jp/%E9%8B%BC%EF%BC%88hr%EF%BC%89/%E4%B8%8D%E5%99%A8%E7%94%A8%E3%81%99%E3%81%8E%E3%82%8B%E5%83%95%E7%AD%89</link>
    <pubDate>Fri, 19 Aug 2011 15:48:56 GMT</pubDate>
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  </item>
    <item>
    <title>溺死</title>
    <description>
    <![CDATA[<br />
ふと気がつくと、水の中にいた。<br />
<br />
あたりは薄暗い。<br />
<br />
何処――だろうか。<br />
<br />
此処が水の中だということは分かるのに、それ以外は全く分からない。<br />
湖か池か、いやそれとも、大陸の果てにあるらしい海――こんなに狭くはないだろう。そう頭のどこかが冷静に判じる。此処を知っているような知らないような奇妙な感覚。<br />
考えている間も、やけに狭く感じる底へと、仰向けになった身体がゆっくりと沈んでゆく。水の中だというのに少しも寒くない。むしろどこか温かな――母親の胎内とはこうだろうか、と思うような。そんな柔らかさが身体を包む。<br />
揺れる水の中、あたりの暗さもそんな思いに拍車をかけているのかもしれない。<br />
<br />
羊水とも思える其処に自身がいる事実を何の違和感もなく受け入れ、ぼんやりと見上げた先。少し端が歪んだ、白い円があった。<br />
本来ならば滑らかな曲線を描き、鋭利な光を放っているはずのソレ。今は少しだけ歪な形になっているソレ。<br />
どこか恍惚と見上げ、名を呼ぼうとして言葉に詰まる。<br />
表す単語があるはずだったのに、思い出せない――思い出さない、のか。それすらも分からずに曖昧だ。<br />
<br />
だが、その曖昧さは。<br />
このたゆたう水の中で、不可思議な感慨でもって許容されていた。<br />
そういえば自分の呼吸はどうなっているのだろう、とふと考え――そこでようやく、ごぼり、と口端から大きな泡が零れ落ちた。<br />
息苦しい。ついさっきまで安らかだった意識が狂ったように暴れ始める。苦しい。息が。それでも身体は動かない。<br />
泡の切れ目から白いソレが覗いて反射的に手を伸ばしても――届かない。<br />
<br />
『――――――。』<br />
<br />
沈みゆく身体とは反対に、大小さまざまな大きさの泡が昇っていく。<br />
薄れていく意識の中で、やけにきらきらした水面に近づいていく空気の白と、その先の白い光を見ている己がいた。<br />
<br />
ああ、<br />
<br />
―――堕ちる先は何処だろうか。<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
「さ！――大佐！？」<br />
「……ハ、ボ？」<br />
目を開けて一番最初に飛び込んできた男の名を呼ぶと、ひどく焦った表情をしていた彼は大きく安堵の息をついた。<br />
いつものベッドの上で、風呂上りなのか濡れた髪のままで。青い目がまっすぐに覗きこんでくる。<br />
「どうした？」<br />
「いやあんたどうしたって……」<br />
戸惑いや心配を混ぜ合わせた表情とその言葉で、魘されていたのだろうかと思う。<br />
両肩を掴んでいた大きな手のうち、右の手のひらがふわりと頬に添えられる。触れられた箇所は少しだけ湿っていて、ようやく自分が涙を零していたことに気づいた。<br />
「――大佐。なにか、夢を？」<br />
「ゆめ…？」<br />
夢、だったのだろうか。<br />
それにしては、やけにリアルだったような――。<br />
「……あ？」<br />
「大佐？」<br />
「いや…たぶん、夢を見たんだが」<br />
覚えていない。<br />
眉をひそめると、だったら、とベッドに腰掛けた彼がロイの髪を撫でた。<br />
「無理に思い出す必要もないっスよ」<br />
「……そう、だな」<br />
同意しつつも、もう一度眠りにつく気にはなれなくて、ハボックの手を退けて身を起こした。<br />
そのまま隣にもたれかかると、再び大きな手が髪をさらさらと梳いていく。<br />
<br />
ふいに思う。<br />
無理に言葉を発することなく、自分と違う体温に触れ、空間を共有し、これほどまでに心が落ち着くなど――なんという奇跡。<br />
<br />
撫でる手につられるままロイは目蓋を下ろそうとし、瞬間、視界に過ぎったものに、硬直した。<br />
隣の男も触れていた箇所から伝わったのだろう、ロイの視線の先を追って顔を曇らせた。<br />
<br />
<br />
彼らの視線の先には、いつもと変わらぬ水槽があるはずだった。<br />
折りしも今日は満月で、開け放たれたカーテンの中、水槽に囚われた満月と、空に浮かぶ光と一緒に悠然と泳ぐ二匹の金魚――が、いるはずだった。<br />
<br />
「さっきまで、泳いでたのに」<br />
<br />
いつものように泳ぐ金魚は、一匹。<br />
<br />
固まって動かないロイに何を思ったのか。<br />
彼が立ち上がり、水槽の傍に寄っていく。<br />
一瞬身震いしたのは、さっきまで熱を感じていたところに冷気が入り込んできたせいだろう。<br />
<br />
「あれ」<br />
<br />
そして零れた音は、奇妙な響きを持っていた。<br />
不審。訝り。困惑。そして少しの恐れ。<br />
そういったものが、勝手に彼の口から飛び出てきてしまったような。<br />
<br />
「こいつ……溺れ、て？」<br />
<br />
声は、やけに遠くで聞こえた。<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<hr> <br />
title:星が水没さまの五題より<br />
2011-3-8<br />
]]>
    </description>
    <category>鋼（HR）</category>
    <link>http://kuuri96.blog.shinobi.jp/%E9%8B%BC%EF%BC%88hr%EF%BC%89/%E6%BA%BA%E6%AD%BB</link>
    <pubDate>Mon, 09 May 2011 00:39:55 GMT</pubDate>
    <guid isPermaLink="false">kuuri96.blog.shinobi.jp://entry/53</guid>
  </item>
    <item>
    <title>探偵のある朝　後編</title>
    <description>
    <![CDATA[3人で他愛無い話を続けていると、奥から、もう一人。エプロン姿の青年が顔を出した。<br />
ジャクと同じ金髪碧眼――どころか、顔までそっくりの青年である。<br />
ジャクの黒いエプロンではなく、グレーのものをつけているのが唯一の違いと言っていいほど、背格好にいたるまで全てが同じ彼が、もう一人のここの店主だ。<br />
その彼は店内にいる自分と同じ顔を見つけると、その顔をくしゃりと顰めて怒鳴った。<br />
<br />
「おいジャク！何やってる働けって！」<br />
「今日の仕込み終わったんで、ジャンが勝手に入れたお客さんのお相手中ー」<br />
「終わったなら店開けろよ！」<br />
「あ。やべ」<br />
<br />
すっかり忘れていた、と舌を出したジャクに、ヒューズとロイが顔を見合わせて微かに笑う。<br />
<br />
探偵事務所の向かいにある此処は、ロイの行きつけのカフェだ。<br />
ジャンとジャク、彼ら双子の青年がひっそりと、だが賑やかに営んでいるこの店をロイは特に気に入っており、またその彼らも常連客のロイに悪い気はしていないらしく、時折こうして早いオープンをしてくれたりとサービスをしてくれる。<br />
<br />
「で、何話してたんスか？」<br />
「ああ、ほら、最近話題だろう？例の泥ぼ――」<br />
「お、オマエも見るか！？うちのエリシアちゃんの写真だ！！」<br />
「いや、そっちは」<br />
「聞いてない、ス、けど……」<br />
「ヒューズ！人の話を遮るな！」<br />
<br />
三者三様のリアクションも恒例の妻子自慢に入ってしまった親ばかにはこれっぽっちも通用しない。<br />
これは長くなるかな、とロイが諦めの息をついたその時、カラン、とベルの音が鳴って、新たな客を迎えたことを店内に知らせる。<br />
ドアに目をやった四人は、それぞれ異なる表情を浮かべてその人物を迎えた。<br />
<br />
「こちらにいらしたんですね、所長」<br />
「…………」<br />
「「いらっしゃい、ホークアイさん」」<br />
「あら、申し訳ないけど今日はお客じゃないの」<br />
<br />
マスタング探偵事務所の事務を一手に引き受けるブロンドの美人助手はそうやって二人の店主に小さく微笑んでから、己の上司へと厳しい視線を向ける。<br />
<br />
「えー、ウチの金づる持ってかないでくださいよ」<br />
「バイトの次は金づる呼ばわりか貴様」<br />
「たまにはツケ払ってってくれないと食い逃げ呼ばわりしますよ、金づる」<br />
「やかましいヒヨコ頭どもめ」<br />
<br />
放っておくといつまでも続きそうな双子との会話を止めたのはもちろん、どこまでも有能な助手の怜悧な声である。<br />
<br />
「所長」<br />
「…………はい」<br />
「本日は朝から弁護士の方がいらっしゃるので事務所にいてくださいとお伝えしたはずですが」<br />
<br />
叱られて小さくなっている探偵の傍らで刑事が首を傾げる。<br />
<br />
「弁護士？いったい何したんだよロイ」<br />
「……私は何もしていない」<br />
「浮気調査の依頼に来た某男爵夫人に一目惚れされて、向こうの主人と浮気相手も巻き込んだ泥沼に発展し、最後は危うく刃傷沙汰に」<br />
<br />
気まずそうに目を逸らした探偵の代わりに、冷静な助手が調査書でも読み上げるかのように告げた内容にジャクとジャンがヒュウと口笛を吹き、ヒューズが噴出した。<br />
<br />
「また激しいっスね」<br />
「……私のせいじゃない」<br />
「そりゃあんたのせいじゃないでしょうけど。気をつけてさいよ、変なところで不器用なんスから」<br />
<br />
おもしろそうに言う二人に、ヒューズも笑いを収めて提案する。<br />
<br />
「遊びなれてるいつものご婦人方と違って生真面目な奥様は盲目だった、ってな。……そうだロイ、いっそのこと探偵やめて結婚詐欺でも始めたらどうだ？」<br />
「私に女性を騙す趣味はない」<br />
「じゃあ美人局」<br />
「……おい。誰がなんだって？」<br />
「オマエなら男も騙せるんじゃね？」<br />
「だったら一番最初のターゲットはおまえだな」<br />
「やってみろ。すぐ捕まえてやる」<br />
<br />
大体この俺がグレイシア以外に靡くわけねえだろ、と左手の結婚指輪を見せ付ける男をはいはいと往なしてロイは再び窓へと目を向けた。<br />
空は相変わらずうっすらと靄がかかっている。<br />
<br />
「その調子でさっさと泥棒を捕まえてほしいものだ」<br />
「この俺が入ったらすぐにでも捕まえるさ」<br />
「――決まったのか？」<br />
「ああ、これから捜査会議だ……そろそろ行かねえと」<br />
<br />
時計を見た刑事は、スーツの上着を肩にひっかけ立ち上がる。<br />
<br />
「じゃあまた来るわ。それまでにそのごたごた、解決しとけよ？」<br />
「うるさい！」<br />
<br />
カップを投げつけかねない勢いのロイに、ヒューズは笑いを残して去っていく。<br />
結局泥棒の話の続きは聞けなかったな、と考えるロイの横では。<br />
<br />
「事務所潰れたらウチで働いてくださいよ」<br />
「ホークアイさん来たら絶対売上上がりますし」<br />
「あら。……それもいいわね」<br />
「さあ、仕事に行こうかホークアイ！！」<br />
「仕事ではなく後始末です、所長」<br />
<br />
まだコーヒーに未練がありそうだった所長を見事に引き離すことに成功した助手がすっぱりざっくりと止めを刺して、腹を抱えて笑っている双子の青年に笑いかける。<br />
<br />
「じゃあね。次はお客として来れたらいいのだけど」<br />
「……ごちそうさま」<br />
「「ありがとうございましたー」」<br />
<br />
そして、伸びのある二重奏が曇った空に木霊した。<br />
<br />
<br />
<br />
<hr><br />
<br />
世界観はお分かりの通り、鋼のモデルにもなった英国です。<br />
シャーロックホームズだいすき。<br />
]]>
    </description>
    <category>鋼（HRパラレル）</category>
    <link>http://kuuri96.blog.shinobi.jp/%E9%8B%BC%EF%BC%88hr%E3%83%91%E3%83%A9%E3%83%AC%E3%83%AB%EF%BC%89/%E6%8E%A2%E5%81%B5%E3%81%AE%E3%81%82%E3%82%8B%E6%9C%9D%E3%80%80%E5%BE%8C%E7%B7%A8</link>
    <pubDate>Wed, 02 Mar 2011 14:56:37 GMT</pubDate>
    <guid isPermaLink="false">kuuri96.blog.shinobi.jp://entry/52</guid>
  </item>
    <item>
    <title>探偵のある朝　前編</title>
    <description>
    <![CDATA[この国の朝は、晴れていても爽やかであるとは言いがたい。<br />
経済発展の代償のように発生している淀んだ空気が太陽の日差しを弱めて、どれだけ晴れていてもどこかどんよりと薄暗さが残るせいだ。<br />
光が本来の姿を現せないこの景色に慣れきった人々は、ただただ忙しなく歩くばかりで、まともに空を見上げることさえしなくなっている気がする。<br />
<br />
「――また、例の泥棒か？」<br />
「ああ」<br />
<br />
温めに淹れられたコーヒーを飲みながら、ロイは窓へと向けていた視線を、世間話のついでとばかりに目の前で話し始めた男へと移した。<br />
向かいに座るマース・ヒューズは優秀な刑事であり、ロイの学生時代の旧友でもある。<br />
時折こうしてふらりと現れては、世間話と称して話――その内容は、警察の捜査状況から彼の妻子の惚気に、職場の上司の愚痴にやっぱり妻子の惚気に至るまで様々だ――をしていく。<br />
本来ならば守秘義務やらなにやらに抵触するだろうが、そこのところはお互い様だ。バレなければ問題ない、と言ったのはどちらだったか。<br />
実際、互いの情報交換によって当局はいくつかの事件を解決させていたりもする。<br />
<br />
そして、彼らの今日の話題は、今巷を騒がせている泥棒。<br />
ヒューズが手にしている地元の新聞も、その話題が大半を占めているようだ。<br />
<br />
「世間じゃ『怪盗ジャック』で通ってるらしいぜ」<br />
「ジャック？……えらく物騒だな」<br />
<br />
即座にロイが連想したのは以前この国を騒がせた通り魔の通称。<br />
犯人は未だに見つかっていないという曰くつきのそれを怪盗にあてがうとは、よほど危険な人物か。<br />
だとしても――。<br />
<br />
「所詮泥棒じゃないか。盗人ごときにそんな仰々しい名前をつける必要なんてないだろう」<br />
「いんや、由来はジャック・ザ・リッパーじゃなくて、ジャック・オ・ランタンだ」<br />
<br />
ロイは一気に脱力した。<br />
<br />
「な……なんでそんなフザけた名前なんだ！」<br />
「俺に怒んなよ。初めてこの泥棒が出たのが収穫祭の日だったんだ」<br />
<br />
仮装のお祭り騒ぎに紛れて、ある伯爵の屋敷にあった絵画が盗まれたのが、最初の事件だ。<br />
<br />
「目撃者の証言では犯人はカボチャを被ってただとか、お化けの仮装してただとかで、怪盗ジャックってわけ。ま、その証言もどれも曖昧で本当かどうかわかっちゃいねえがな」<br />
「そんなフザけた泥棒が、なぜまだ捕まっていないんだ」<br />
「それが、逃げ足がめちゃくちゃ速くてなー」<br />
「言い訳ならもっと上手くやれ」<br />
「俺が言ったんじゃねえよ」<br />
「……と、おまえの上司に言っておけ」<br />
<br />
興味がないといわんばかりのロイの様子に苦笑してヒューズが続ける。<br />
<br />
「いや、上の方もこうもいろいろ盗まれたんじゃ警察の威信に係るってんで躍起になって増員しているんだがな、どうにも。……担当曰く、その泥棒、神出鬼没らしいんだわ」<br />
「へー」<br />
「あ、信じてねえな？」<br />
「いいや、たかだか泥棒一人に我々の血税がどれほど使われているのかを考えて気が遠くなっただけだよ」<br />
「そういうならオマエが捕まえてみろよ」<br />
「タダ働きはごめんだ」<br />
「そのうちあるかもしれないぜ？依頼」<br />
「――ほう？」<br />
<br />
コトリとカップを置いて目の前の男から何気なく言われた言葉に、ロイは小さく口端を持ち上げた。<br />
<br />
「それなら、考えてもいいな」<br />
「――へえ。じゃ、そろそろ名探偵のお出ましってわけですか」<br />
「……ジャク。私は客なのだが」<br />
<br />
突然かけられた頭上の重みに頭を上げられないままロイが低い声を出すと、背後から遠慮なくロイの頭の上に腕と顔を乗せた金髪の青年が大げさに驚く声を上げた。<br />
<br />
「あれ、そうだったんで？オープン前に人がいるから、オレはまたてっきり新しく入ったバイトかと」<br />
「この私に給仕させる気か？」<br />
「しませんよ。そんな、コーヒーがもったいない」<br />
「……なぜ失敗するのが前提なんだ」<br />
「アンタ、変なところで不器用じゃないスか」<br />
「誰がだ。だいたい私がバイトならコイツはどうなんだ、コイツは」<br />
「いやー、俺はオマエと違って器用だし？給仕も任せとけ。……よ、邪魔してるぜ」<br />
「どもっス」<br />
<br />
ジャクと呼ばれたエプロン姿の青年は客に対するには少々軽い挨拶をしながら、乗せられた腕を払いのけようとするロイをかわして笑った。<br />
<br />
「分かってますよ。またジャンが勝手にコーヒー出したんでしょ」<br />
「だから、私は客だぞ？」<br />
「ちゃんと俺のスコーンも出してるじゃないっスか」<br />
「ジャンがな」<br />
<br />
二人の軽快なやりとりを何気なく聞き流していたヒューズがそこで瞠目する。<br />
ロイと自分の間にある胃袋を刺激する香りを放っているスコーンと青年の顔を代わる代わる眺めて、尋ねた。<br />
<br />
「なに。これオマエが焼いたの？」<br />
「そうっスけど」<br />
「へえ……」<br />
<br />
これをねえ、とマジマジとスコーンを見つめるヒューズに、ロイが胸を張った。<br />
<br />
「ジャクのお菓子とジャンのコーヒーは絶品だぞ」<br />
「なんでロイが自慢するんだよ」<br />
<br />
<br />
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    <category>鋼（HRパラレル）</category>
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    <pubDate>Wed, 02 Mar 2011 14:55:42 GMT</pubDate>
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