あなたのことが。

どういうところがいいのかと言われても。
気づいたら、そうだったんだ。
そりゃあこんな体質だから誤解されたりもするけど、別にもともと男が好きだったわけでもなし、女性は今でも好きだし……なんだよ、そんな怖い顔するなって。
旦那だって、俺のどこがいいかなんて分からないだろ？それと同じだよ。
――ごめん。俺が悪かった言わなくていい。ひとつひとつ挙げなくていいから黙ってくれって！

ええと、最初の印象は食えないおっさん……ってこれは今でもそうだよな。自覚ある？だったらもうちょっとなんとかしてくれ。とにかくよく分からなかった…と、思う。
でも、一緒に旅をしてたら、眼鏡が譜業だったり――それが一番最初ですかとか言うなって――外すと印象が変わったり、術が目茶苦茶強かったり、真面目なこといったかと思えばすぐ茶化したり、マーボーカレーが好きなくせに甘党だったり……冷たい大人かと思えば実はそうじゃなかったり。
年下の俺がいうのも変だけど、なんだか放っておけない気がして。

大体最初に言ったじゃないか。そうじゃなきゃこういう……その、恋人同士、になってないだろ。
――よ、よく覚えてるな、あんた。
確かに「俺も」としか言ってないけど、いや別に誤魔化してるわけじゃなくて、だな……困ったな。

分かってる。言わない方がおかしいんだってことくらい。
言葉にしないと伝わらないことがあるのも……分かってる。

――そうだな。怖い、のかもしれない。
あ、あんたとこうなってることが、じゃないからな？そこだけは絶対に誤解するなよ？
後悔なんてするわけがない。

なんだろう。今までこんなことなかったのにな。言葉にするのが怖い。
たぶん、自分がどうなるのか分からないのが、怖いんだ。
口にして、これ以上俺があんたのことしか考えられなくなったら。困るんだ。
今でさえ、こんなにあんたのことでいっぱいなのに。


旦那――ジェイド？どうしたんだ頭抱えて……悪い、俺変なこと言ったか？――違う？ならいいけど。
だから、まあ、ほら、そういうことだから。

すきです、なんて、言えない。



（いいじゃないですか言ってくださいよ）
（あんた俺の話聞いてたか！？）
（聞いてたから言ってるんです、この天然）
（は！？）

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title:群青三メートル手前 様

ちょろ甘！（ちがう）
PGシリアス両片想いかJG甘いのか迷ってこっち　延々のろけ話なうえに乙女ガイ様
そんなこと言われたら言わせたくなるってものです